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煩悩 Archive
ペッシェドーロ
- 2006-08-13 (日)
- 煩悩
「元気だった?」
「・・・うん」
「どうした? その間は?」
「元気だけど元気じゃない」
「穏やかじゃないねぇ」
久々に再会した人と、
気兼ねなく食事がしたかった。
変わらぬ美しさを感じさせる表情に影を見つけたから
少しだけ探りをいれてみたのだが、特に深い意味など最初から持ってはいなかった。
「ここを離れる決意をした時、
貴方に言われた事が今はよくわかる。」
「色々と話したよね」
「うん」
「何が?・・・」
「今、孤独なの。 私。」
「やりたい事のためにステップアップしたんだから、
有る程度孤独でも仕方ない・・よ?」
「うん、わかってる。」
ジローフィオーレの系列店でありながら、かなりマトモなイタリアンを食べさせてくれる店。
ワインの安さは特筆すべき程で、コストパフォーマンスに優れたバランス感覚の良い経営は、
最高級リストランテと比べない限り、あまり文句が出ない巧いやり方なんだろう・・と感じている。
店の名前は「ペッシェドーロ」
黄金の魚という意味のこの店はミラノのトラットリアイメージしているらしい。
「焼き野菜のマリネとペペロンチーノ、セコンドは子羊?なら
ワインは以前に頼んだNERO D’AVOLA・・・かしら・・」
「記憶力がいいね」
「貴方ほどじゃないわよ」
「記憶力がいいのは嫌な思い出だけなんだよなぁ・・・」
「あら、残念。
私の事なんてもうすっかり忘れてるのね」
「なんか、からむね」
「茶化すからよ」
この店は、ある時からアテンドが良くなった。
気の遣い方の質が、凄く向上したのだ。
リストに無いワインの勧め方も嫌味なく、
料理もちょっとしたワガママに対応してくれる柔軟性を持っていて、
その上、こんな風な2人はさりげなく放ったらかしにもしておいてくれる。
「やっぱり貴方の言う事、聞いておけばよかった。」
「実際に現実にならないとわからない事・・・だったでしょ?」
「うん。
悔しいけど・・・」
「だてに歳はくってないんだぜ」
「そうね。」
「で・・・?」
「胸張って帰ってこれるように、
もうちょっと頑張ってみる。」
経験とは、失敗の歴史かも知れない。
その経験があってはじめて成功に繋がっていくのなら、
年配者の言葉はまさに宝の山。
そう自分に言い聞かせて先輩の言葉を大切に聞いてきたが、
気が付けば自分もそんな年令になっている。
ただ・・・
色恋沙汰だけは、あまり経験が役には立たないもの・・・
だよねぇ・・・(/–)/
「ペッシェドーロ」
045−682ー5635
横浜市西区みなとみらい2-3-1 クイーンズタワーA1F
11:00〜22:20
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麥文記麺家
- 2006-08-09 (水)
- 煩悩
夏の香港に行くもんじゃない・・と思い知ったのは、
ホテルから雲呑麺を喰いに飛び出した時だった。
暑い・・・・なんてもんじゃない。
じっとしているだけでも汗ばむのに、
止せばいいのに佐敦(ジョーダン)だから・・と歩いてしまい・・・
(勿論、CityBankで金を下ろす必要もあったんだけど)
思いっきり汗をかいてしまった。
目指すのは「麥文記麺家」
香港に着いたら一回は必ずここの雲呑麺を食べるクセがついていて、
その日も半分無意識に店に向かっていたのだ。
何度か書いてきたが、香港では上湯という名の薄い色のスープによく出会う。
鶏の出汁が効いたソレらは店の大事な顔であり、
その店の全ての料理のクオリティを計れる大事な物差しでもある。
勿論麥文記のスープは半端じゃなく美味いワケで、
たった18HKD(270円)の雲呑麺がその数倍の価値をを持つのは言うまでも無い。
「雲呑麺!」
と叫ぶと、店員はニコリともせず、伝票に何やら書き込んで去っていく。
こっちも愛想なんて期待してないし、香港はそういう所だとどっかで思っているので、
これもまた香港らしさ・・として楽しんでいたりする。
素っ気なく出された雲呑麺は、相変わらずの噛み切れない麺と、
プリプリの海老が入った雲呑でテンコ盛り。
がぶっと麺に食らいつくと・・・・
やっぱり噛み切れない(爆)
これこれ・・・
この食感を味わいたかったのさ・・(^_^)
でも・・・マジに噛み切れなくて・・・
噛んでは飲み・・・噛んでは飲み・・・・(/–)/
アレ?
なんか違うぞ・・・・?
麺を食べきった後に、あらためてスープを啜ってみると・・・・
味が落ちてる(・_・、)
こんなはずじゃぁ・・・・
いや、待てよ・・・
基本的な物はあまり変わっていないぞ・・・?
あれ・・・あれあれ・・?
食べてみて感じたのは、何だか物足りない・・・という事。
で、食卓にある調味料をちょっと足してみたら、
味が数段良くなった。
・・・・そうか・・
汗かきすぎて塩分が不足しちゃったのかも知れない。
もしくは、夏で水が不味くなってるのかも知れない。
だが、それでも、
日本で食べる雲呑麺より遙かに美味しいのは・・・何故だろう?
次回は涼しい過ごしやすい時期に来てみよう。
もしそれで、今回のように物足りなさを感じたのなら、
60年以上を誇る歴史もココまでだ・・・と断じてしまうかも(爆)
しかし・・・・
コストパフォーマンスのよろしい事で(^_^;)
麥文記麺家
九龍佐敦白加士街51號
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寿司大
- 2006-08-07 (月)
- 煩悩
朝6時、携帯が鳴る。
なんだよ・・・こんな早く・・・・(-_ゞ
目覚ましのためにアラームをかけていたから、
着信音も豪快に鳴るわけで・・・・
「朝早くからゴメンな。
ちょっと出て来ないか?」
「どした?
事故った?」
「いや、最近一緒に飯食ってないから、
飯でも食おうと思ってさ・・・」
え・・・と、朝6時なんでけど・・・・
「あのさ・・・」
「どうせ電話しなきゃ起きないだろうからかけたんだけど、
築地の寿司屋に行こうと思ってさ」
「・・・・・・・え?」
「だから、築地市場の・・・」
「寿司大?」
「そうそう。
お前が美味いって言ってた店さ」
「でもさぁ・・・6時だよ?」
「このクソ暑い中、2時間並ぶなら、涼しい朝方でしょ?」
わかったよ・・・・・
行くよ・・(^_^;)
「ごめんよ〜」と台車を引っ張るオヤジが叫ぶ。
気を抜いてるとバタバタが突っ走ってくる。
市場の朝は戦場だ。
仕事の終わる昼時とは違って、誰もが殺気だった動きをしている。
「お待たせ」
「呼び出して悪かったな」
「寿司大に行くって言うから・・・・」
「お前に電話するまで、寿司大だったか大和寿司だったか覚えてなくてさ。」
寿司大と大和寿司は同じ長屋に入っている寿司屋で、
場内の寿司屋の中では人気を二分している行列のできる店として有名だ。
店の広さが大和寿司は寿司大の倍あるため、
並んでいても見た目ほど時間がかからない・・・という噂がある。
「時間かかっても寿司大の方がいいんだっけ?」
「うん」
「なんでよ?」
「食べりゃわかる」
「でもあっちの方が早く入れそうだぜ?」
「どうぞ。
私はコッチで待ちます。」
「だから・・・どこが違うんだって?」
「大和寿司はマグロ好きな人にとっては良い店だよ。
良いネタが揃ってるし切り身も厚め。」
「・・・で?」
「おまかせ(3150円)で7カン+巻物+椀が出たけど、
その中に白身魚が入ってなかった。」
「え?」
「以前の話さ。(http://wakao.info/text/16/796.html)
で、足りないから白身ほか諸々を食って1万3千円を超えたのさ。」
「飲んだんだろ?」
「飲んださ・・・ビール2本」
「そんなもんじゃないの?」
「だから、食えばわかるって」
「オートッロ〜ヒトツ」
「へい!」
「オゥマカッセ・・セット 2 オネガイシマス」
「I’d like・・・」
おい・・ここはどこだ?
「お待たせしました。
暑かったでしょ?」
「えぇ・・・
しかし、外国の方、多いですねぇ」
「えぇ、最近は凄く多くなりまして。
今日なんか、『ここは何処?』って感じですよ。
今お店にいらっしゃる日本人はあなた方と、彼方の方だけです」
最近、諸外国でも寿司の人気は鰻登り・・と聞く。
香港でもイギリスでも回転寿司の店が繁盛していて、
生魚を食べる事に対して偏見を持つ人はかなり減ってきたのかも知れない。
並んでいる時も広東語が溢れていて、香港を思い出してしまった位だ(^_^;)
「お飲物はどういたしますか?」
「まずビールを。
後は『おまかせ握り(3670円)』を2つ。
その後足りなかったら足していきますので。」
「へい!」
お通しにタコが出た後、
トロ
スズキ
玉子
キンメ
バフン雲丹
と出た。
「うめぇ・・・・」
「だろ・・・・」
久々の寿司大は、やっぱり偉大だった。
若干酢が強いシャリは好みが分かれるところだが、
全体のクオリティは素晴らしい。
今回のマグロは、市場で食べる物としては普通に美味いレベルだったが、
キンメと雲丹はもう・・・・(^_^)
パン!
と叩いて握った「ホッキ貝」は活きの良さを誇るように身をよじってみせたが、
続いて出た「太刀魚」が素晴らしかった。
「太刀魚って、生でもいけるんですか?」
「勿論ですよ」
「俺、初めてだ・・・・」
あっさりとした味わいの中に、甘みがあって、
身の固さもちょうど良く口の中で解けていく・・・・
「そしてコイツが釣りアジです」
「釣り物なの?」
会話をしながら食べていく楽しさは、
寿司屋で寿司を食う意味の半分以上を占めるのではないだろうか・・?
ヅケ
穴子
白海老
巻物(鉄火・かっぱ)
と出て、コースはあと1カン好きな物を握って終了となる。
「何かオススメはありますか?」
「そうですね、春子鯛とボタン海老、カレイもいいですし、シンコもありますよ」
食べるペースや食べ方を見てシャリの量を調整してくれる板前は、
今日のオススメもさらりと紹介してくれる。
「すいません、全部ください。
それと冷酒を一本」
「食うね〜」
「食わない?」
「食うよ。
俺、サンマと・・・・」
かなり食べました。
酒はビール2本と冷酒一本(300cc)
で・・・・12600円でした。
「で・・・さ、かなり美味いと思うんだけど大和寿司だったらどうなのよ?」
「前は冷酒も飲まなくて、ここまで食べられなくて、
どこか不満が残って・・ここより高かった。」
「そうなんだ。」
「最初に築地に来た時ココに並んだから、また来よう・・という気になったけど、
(http://wakao.info/text/14/677.html)
大和寿司で食べたらもう来なかったかも知れない。」
「美味いんだろ?」
「それなりにね。
でも、2時間並んでまで食べたい魅力は無かったのさ。
こっちは・・・やっぱり待つ価値があったな・・・と」
「確かにここまで美味い寿司を腹一杯食ってこの値段なら、
また来たい・・と思うわ」
「ま、市場に入った魚次第で味が変わっちゃうんだけどね・・・・」
「ところでさ・・・」
「?」
「隣の店でフライ定食食べない?」
「え?」
「ゴマ油の美味そうな匂いにやられちゃってさ・・・」
ごめんなさい。
勝手に行ってください。
「寿司大」
03-3547-6797
中央区築地5-2-1
5:00〜14:00
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491House
- 2006-08-01 (火)
- 煩悩
「横浜っぽい所、案内してよ」
「俺に、言う?」
「マニアックじゃないとこね」
「あのさ・・・
いわゆる横浜のイメージって何よ?」
「港、酒場、ジャズ、荒くれ者が集う・・・異国・・」
「なんじゃそりゃ?」
「じゃ、なんかあるの?」
・・ときかれて、困った。
横浜らしさって、何だろう・・・
戦後、ジャズが流れる街になった横浜は、
進駐軍が居た関係か、アメリカナイズされた店が多い。
既に消えてしまったが「VFW」「ベニス」などのヤバ目の店や、
「リキシャルーム」のように辛うじて姿を変えて生き残っている店は、
酔っぱらった軍人の匂いがする「らしい」店だった。
「そう言われても、今の横浜はすっかり東京ナイズされちゃって、
これぞって店は少ないのよ」
「そうなんだ」
「アマゾンクラブじゃ子供っぽいし・・・
中華街じゃストレートだし・・・
裏横浜なんて、東京から見たら面白くないし・・・」
「そこまで悩まなくても・・・」
「わかった・・・
君のイメージ通りの店に行こう」
この店は、ミュージックチャージを取らないジャズバーで、
飲み物はごく普通ながら食べ物が意外に美味いので、たまに飯を食うためだけに訪れる。
491カレーは、オニオンリングののったボリュームのある物で、
生ビールを煽りながら食べるにはちょうど良い。
しかし・・・
店の中は昔の横浜っぽくかなり暗いので、
席によっては、何色の食べ物を食べているか、わからない事もある(^_^;)
「今日はありがとう」
「え?」
「突然、お花が届いて・・・嬉しかった。」
「あぁ・・・」
そうだった。
彼女の誕生日に、
カード会社に頼んでお花を送ってもらったんだっけ。
「届け物が来て受け取ったら、重くて驚いた。」
「え?・・あぁ」
「お花の下にシャンパンが入ってるって・・」
「好きでしょ?」
「うん」
「でも・・・・」
「え?」
「お花を飾ろうと思ったら、
ウチの猫が喜んじゃって、ガシガシお花食べちゃうの・・・」
マジ・・ですか?
「来年、何か送ってくれるなら、
お花はやめてね」
良いアイデアだと思ったんだけどなぁ・・・
「ねぇ・・
花送っておいて、随分素っ気無い・・・のね?」
ゴメンなさい。
忙しさにかまけて忘れてました(・_・、)
「491HOUSE」
045-662-2104
横浜市中区山下町82徳永ビル1F
18:00〜26:00(LO: F. 25:00、D. 25:30)
無休
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桃花
- 2006-07-27 (木)
- 煩悩
「せっかく人数が集まったんで、中華街行きませんか〜?」
「賛成〜(^_^)」
今日は早朝から仕事があって、いつもより早く終わったので、
ランチタイムに余裕があった。
いつもだと四川料理の店に行くのだが、
以前に行った時、麻婆豆腐を辛くしてもらったら大変な事になって、
今回はその店を避ける事に・・・(^_^;)
本日のランチ(840円)
鶏肉の薄切りオイスターソース炒め
白身魚のカレー炒め
苦瓜と豚バラ肉の黒豆炒め
厚揚げ豆腐の辛味噌炒め(家常豆腐)
これにスープとご飯、デザートが付くから、全部頼んで皆で分け合って食べるのが楽しいのだ。
オープンした頃(1998)は、味が荒れていたが、最近は安定して美味しい店の一つだと言える。
上海料理の店としてスタートして以来、特に女性に人気を集めているこの店は、
基本的に味付けは薄目。
旬の中国食材も積極的に取り入れるためか料理の値段が微妙に高いのだが、
食べてみる価値は充分にある。
「最近、食べ過ぎて調子が悪くなるのよねぇ・・」
「それって・・・」
「何?」
「コントロールしないと、血糖値の調整が上手くいってないから、
病気になるよ」
「え・・・?」
今日のメンバーの中では一番の食いしん坊が、
ダイエットに凝っているヤツから注意を受ける。
「最近、朝ご飯食べて、昼ご飯食べると太るようになった・・・」
「それは夜、飲み過ぎなんじゃないの?」
「そんな事はない・・・」
何処も肥りすぎを気にする会話だったりするのに、
しっかりと皆で分けて食べてしまうのだから・・・・
忙しさにかまけて顔を合わせないと、
人間関係が細くなる。
どんなに大切に想っていても、
その言葉にならない想いは、
やっぱり会わないと伝わりにくい。
だから私は、なるべく人に会うようにしているけど、
ここのところ酒を飲む事も忘れているほど内向的だ。
楽しく仕事仲間と食事をしながら、ふっとそんな事を思うのは、
人間は1人きりでは生きていけない・・と知っているから、かも知れない・・・(/–)/
「桃花」
045−224−7777
横浜市中区山下町192−9
月〜金
11:30〜15:00(LO14:30)
17:00〜LO21:00
土
11:30〜LO21:30
日・祝日
11:30〜LO21:00
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