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2017-11

三の酉

行雲流水


 
 

 
 

 
                              R.I.P.
 

Godzilla’s Eye

横浜トリエンナーレは、本日をもって終了となる。
 
マチノトリエンナーレという応援プログラムに関わった事もあり、
最終日に会場を回った。
 
横浜美術館、赤レンガ倉庫、そして開港記念会館。
 
星座を意識した配置という事を聞いていたが、
個性溢れる作品には、根底に流れる方向性があったとしても
そこは現代美術らしく、統一性はあまり感じられなかった。
 
 

 
 
   
作品を批評する蛮勇は無い自分としては、
美術作品を見る時の常として、ただ、感じる事に徹する。
 
そしてやっぱり・・だけど、
心のどこかに引っかかる作品はあまり多く無かった。
 
作者と自分の感性が合うかどうか・・という事なんだろうけど、
正直、合わない物が多い。
 
ただ、今回の作品には多くの映像を使った作品が多く、
写真作家が作り上げるような物から、
映像監督が撮った?と思うような物まで、
馴染みやすい作品があって、面白いと感じた。
 
 

 
 
映画セットのような作品ではあるが、
これは開港記念会館の地下に展開された世界。
 
今の社会が持つ不安、世界が抱える問題、
そして日本の今を作者(柳幸典)が感じるままに表現したのだが、
政治的な要素もある事から、単独での展示になっている。
 
でも、その結果、
統一された世界観があって、
作品としてはわかりやすい空間が演出されていた。 
 
 

 
 
水爆によって生まれたとされるゴジラの目には、
キノコ雲が重なって表現されているが、
現在の映画に登場するゴジラは虚構の象徴にされている。
(現実=自衛隊VS虚構=ゴジラ)
 
今の社会が抱えている問題は
決して虚構では無いということを作品は示唆しているが、
やり過ぎな作風には好き嫌いが出るだろうと、勝手に想像した。
 
でも、アートはそれで良い、と思っている。
 
少なくとも私には、あの場所で繰り広げられた世界観が、
ちょっとカビ臭かったり、低音で流される環境音の重さが、
作者が表現したい空気をちゃんと作り上げている、と感じられたのだから。
 

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