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煩悩 Archive

Alone

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 珍しく誰も居ないカウンター。

 

 こんな夜は、酒と語らいながら

 いっぱい溜まった澱を流そう。

 

 76・78・80と並んだ3本は、

 何れも妖艶な魅力に満ちて、

 ちゃんと向き合って下さいね・・・と囁きかける。

 

 そう・・

 こんな時間が、欲しかった。

オーパスワン


 
ロバートモンダビとムートンが手を組んで立ち上げたシャトー「オーパスワン」
 
作品番号1番という音楽用語を使ったのは、ワインを交響曲に準えての事。
 
そのスタートは1979年
ワイナリーが完成したのは1991年だが、
現在日本でも1980年ビンテージのオーパスワンが50000円オーバーの価格で流通している。
 

 
ロバートモンダビは、カリフォルニアワインの代表的なワイナリーで、
そのワインは下手なフランスワインより美味しい事は周知の事実だが、
カリフォルニアワインは過去、日本においては不当に過小評価されていたからか、
現在でもコストパフォーマンスの良いカリフォルニアワインはあまり流通しているとは言えない。
 
それは日本独特の権威主義の現れで、
ブランド商品がもてはやされるが如く、フランスワインが一流と信じられていたからだろう。
 
1980年代、190円しかしないフランスワインが日本で3000円で売られていた事実を知っていた私は、
良質なイタリアワインやドイツワインをよく飲んでいたが、その頃既にカリフォルニアワインは輸送経路が
赤道を通らないから痛みが少ない・・という宣伝文句で売られていて、コストパフォーマンスに優れた
良質なワインだと気付いていた。
 
ただ・・・
ナパやソノマと聞いても、それがカリフォルニアの地域名だと知っている人なんて、
殆ど居なかった時代だ。
 
いや、現在だって、そんな地域名を知っていても、
ワイナリーやボトラーズの名前を知っている人は多くないのではないだろうか?
 

 
セバスチャーニ・ビンヤードはソノマの大きなワインメーカーで、スタートは1904年。
2000年には当時のオーナー、ドンセバスチャーニは新たに息子達と会社を起こし、
その設立4年目にハーランエステートやベンジンガーと並んでアメリカン・ワイナリー・オブ・ザ・イヤーを受賞する。
 
まさにこのセバスチャーニのワインは、コストパフォーマンスに優れた嬉しいワインで、
どこかの酒屋でセバスチャーニ・ビンヤードか、ドン・セバスチャーニ&サンのワインを見かけた事がある人は多いと思う。
 

 
サンフランシスコに行ったら、絶対行きたかったのが「オーパスワン」であり、
ナパ&ソノマのワイナリーだった。
 
マイペースで動く事が好きな自分にしては珍しくワイナリーツアーをオーダーした。
 
日本語が喋れるガイドの車で訪れた最初のワイナリーはソノマのセバスチャーニだったが、
さすがは大企業、ここのならではの物があまり目に止まらずにいたら、ガイドが気を遣ったのか、
カリフォルニア最古のワイナリーと言われる「ブエナビスタ」に案内してくれた。
 


 
ブエナビスタの創業は1850年代と言われ、その経営は山あり谷ありで必ずしも順調ではなかったと説明を受けたが、
そのワイン(2005 ピノ・ノアール)をテイスティングして驚いた。
 
どっしりとボディがあって、果実味も楽しく、素直に美味しい・・と言える味わいなのだ。
 

 
ここでしか買えない「ゴールドメダル」というワインは滅茶苦茶美味くて、
真剣に欲しかったのだが、手荷物として飛行機に持ち込めないので、断念する。
(液体はミネラルウォーターでも持ち込めない)
 
そしていよいよ・・・・
予約を受けてもらえた「オーパスワン」に向かう。
 

 
採れた葡萄を重力だけに頼って搾る方式を採っているため、
この不思議な形のワイナリーは地下のタンクまで流れていくシステムが組み込まれている。
 
 
「で、今オーパスワンは幾らで売ってるの?」
 
「$165
 日本では幾らで売ってるの?」
 
「ビンテージによっては58000円なんて物もあるけど、なかなか高くなったねぇ」
 
「79年物と80年物を買った時は$50だった。」
 
「え?
 それって、日本じゃ5万オーバーだよ・・・」
 
 
実は、このツアーに参加した人達は何故か殆どワインを飲まなくて、
1人飲んべえの私は、テイスティング費用一杯$25を出しても飲みたい・・・と言うワガママを心おきなく言う事ができたのだ。
 

 
 
「こんだけのワインでも、$25で飲めるのなら、充分価値があるよ」
 
「このワインは幸せになれるワイン。
 一杯飲むだけで話もできるし、貴重な経験もできる。
 皆さんいかがですか?」
 
「・・・・・」
 
 
ワイナリーツアーをタダの観光ツアーと思っている人達は無視して、
カリフォルニアワインをこよなく愛するガイド氏と話に花を咲かせる。
 
ナパの風は心地よく、しかし畑から香る肥料の匂いがちょっと臭くて・・・
 
20分ほど時間をかけて飲んだオーパスワンは、
香り高いバランスの良い味わいをどんどん広げてくれたが・・・・
いかんせん若かった。
 
カベルネソービニヨンらしい味わいに、
カリフォルニアワイン独特のフローラルな香りと、少し埃っぽい香りに、なめし革のような香りが混じる・・・
 
でも、そこから先の変化に乏しかった。
 
この、美味しいけど、そこから先がちょっと不満・・・な感覚は、
以前飲んだコッポラの「ルビコン」に似ている。
 
 
「最近は、フランスの技術とカリフォルニアの技術が融合したワイナリーが多いんですよ」
 
「そうなんですか」
 
「ドメイン・シャンドンもフランスの資本が入っているし、葡萄棚の作り方とか手入れの仕方は、
 フランスの技術ですね」
 
 
ワイン好きにとって興味ある会話も、他の参加者にはあまり楽しくないようだ。
でもこれはワイナリーツアー。
今回の渡米目的の1つは譲れません(^_^;)
 
 

Opus One
(707)948ー2425

ロリーズ ダイナー 

元々は軽食を販売する屋台(アメリカだから馬がひくワゴン)だったダイナーは、
キッチンやカウンターを設置した客車風の建物に進化し、現在はそんな雰囲気を持つ食堂となっている。
 
アメリカのはハンバーガーはシングルパティでも充分に迫力があるので、
気軽な食事として食べたい物の1つ。
(2枚重ねはdouble-deckerと言う)
 
そんな食べ物を求めるなら、やっぱりダイナーで・・と思うのは、
アメリカらしい雰囲気の中で食べたいからだろう。
 
そんな気分にピッタリの店があったので入ってみた。
 

Lori’s Diner
 
しかし・・・
赤いラメのシートって、どういうセンスなんだろうね(^_^;)
 
とにかくビールと野菜とハンバーガーをオーダーした。
(これがとんでもない失敗だった)
 
サラダのドレッシングは?
ハンバーガーの焼き方は??
 
ウェイトレスが細かくオーダーを聞く。
 
ドレッシングはフレンチにして、パティは勿論レアで・・・・
 

 
アンカースチームは、シスコではとてもポピュラーなビール。
 
シスコにいる間、ひたすらコレばかり飲んでいたが、
この店のようにボトルで出してくれる店にはあまり当たらなくて、
しかもそのグラス注ぎのビールの殆どは、何故かち〜っとも泡が立ってない。
 
ビールは泡も味のウチ・・と思っている私には理解不能だったが、
まぁ・・・それでも充分に美味しかったので良しとする。
 
で、次に出てきたのがコレだった。
 

 
おいおい・・・
誰がこんなに食うんだ?
 
というほどの量。
 
キュウリなんだかズッキーニなんだかわからない輪切りに、
ミニとは言い難い大きさのミニトマト・・・
 
後ろのタバスコの瓶を見れば、その大きさがわかるだろう。
 
この時点で失敗感が漂っていたのだが、
もちろんこの後にはメインがやってくる。
 

 
はい、お見事な大きさです。
パティは1/3ポンドと書いてありますが・・・・
ハーフポンドにも匹敵する大きさに見えます。
 
ピクルスの隣はハラペーニョ。
コイツが適度にピリ辛で食欲を増進します。
 
そして、意味不明なスイカが一切れ・・・・
 
バーガーにスイカ挟むのか???
と馬鹿な突っ込みを入れたくなりつつ、
ケチャップとマスタードを塗って、挟めるだけ挟んで・・・ガブッ
 
レアのパティが妙に美味しい。
 
ハンバーガーのパティはしっかり焼いた物も大好きだが、
レアな焼き加減のパティもまた、日本にはあまり出会うチャンスの無い味で、満足(^_^)
 
しかし・・・
 
やっぱり・・・・
 
サラダは食い切れませんでした。
(もちろんフレンチフライも残します)
 
ま、アメリカの食事って・・・
こんな物です(^_^;)
 

Lori’s Diner at Mason

336 Mason St, SF, CA 94102
(415) 392-8646

ニューヨーク ストリップ ステーキ

 
    サンフランシスコに行ったら食べたかった物。
    それはニューヨークカットステーキだ。
 
    ジャックスでよく食べるニューヨークカットステーキは国産のサシの入った上質な肉で抜群に美味いのだが、
    赤身の多い肉らしい味に溢れるアメリカのニューヨークカットステーキは食べた事が無い。
 
    10年前にサンフランシスコで食べたステーキは、いわゆる安売り店の物。
    大きさだけが取り柄です的な物ばかりで、それでもその量に感激していたわけだが、
    今回は、ちゃんとした店で食べてみたかったのだ。
 
 

 
    まずは、高級ファミレス的な店に入ってみた。
 
 
    Daily Grill – San Francisco
    (415) 616-5000
    347 Geary St
    San Francisco, CA
 
 
    チェーン店でもあるこの店は、1984年にビバリーヒルズに店を開いて以来、
    西海岸を主に営業を続けている。
 
    いわゆるアメリカンフードを食べるにはピッタリの店、という事で頼んだのは
    ニューヨークストリップステーキ(New York Strip Steak 12oz.)だ。
 
    ※ニューヨークストリップステーキ:サーロインより柔らかいショートロインを使用したステーキ
 
    12オンスと言うと、316グラム。
    ジャックスのニューヨークカットステーキを超える大きさになるのだが、
    出てきたステーキはこんなだった。
 
    

 
    アンガスビーフを28日間エイジングした・・とメニューにはあったが、
    27.95$のコストを考えるとそれなりの肉じゃないと許し難い。
 
    味わいは肉の旨味が溢れる美味しさで、
    しかも脂が少ない分もたれない。
 
    今、日本で高級な300グラムのサーロインを食べるのは、
    コストも体調も許さない感じがするのに、するすると食べられてしまった。
 
    だけど・・・
    何かが足りない。
 
 

 
    取り敢えず腹に貯めてしまった肉を消化するために、
    痛い足を騙しながら港へ向けて移動する。
 
    今週はメジャーリーグのオールスターゲームがこのサンフランシスコである・・・
    という事で、街中は「ALL☆STAR WEEK」の旗やペイントが多い。
 
 

 
    内陸部は華氏100度に迫る暑さが予想される事をTVが告げていたが、
    ここでは60度を切る寒さ。
 

 
    乾燥した空気がさらに身体から熱を奪うため、ジージャンを羽織らないと居られない。
 

 
    日本の高温多湿に慣れている身体にはありがたい気候だが、
    それでも坂道を登ると若干だが汗をかく。
 

 
    しかし、横に停めないとダメな位の坂道って・・・どうなの?
 

 
    こんな風に半日も歩けば、300グラムオーバーの肉もこなれて、
    またもやステーキが食べたくなる。
 
    そこで観光案内を低い英語読解力で読み漁り、
    ある一軒に目星をつけた。
 
 

 
    Lark Creek Steak
 
    Westfield San Francisco Centre
    845 Market Street, 4th Floor, Ste 402
    San Francisco, CA 94103
    (415) 593-4100
 
    この店は、地元でも人気の店らしく予約無しで入るのが心配だったが、
    カウンター席もあるようなので、取り敢えず飛び込んでみる。
 
    あ・・・っとヤバイかな・・・(^_^;)
    皆さん、それなりの格好してますな・・・
  
    と思ったがしかたない。
    こっちはジージャンしか持ってないわけで、
    断られたらしかたない・・・
 
    だが、すんなりとテーブル席に案内され、
    その上「今週はワイン半額セールだからボトルで頼んだ方が得だよ」とレクチャーされる。
 
    で、メニューを見て、またもや難解な英語に悩む。
 
    we serve only the finest beef, largely USDA prime, which represents only 2% of beef produced in America.
    our steaks are aged for flavor and tenderness, then grilled over fruitwood and
    charcoal embers and served with your choice of one of our complimentary sauces. weights are approximate.
 
    はぁ・・・
 
    filet mignon – 6oz/ 9oz 27.95 / 38.95
    usda prime new york strip steak – 9oz / 14oz 29.95 / 39.95
    28 day dry-aged usda prime bone-in ribeye steak – 16oz 43.95 nutty taste with a buttery, tender texture
    red wine marinated hanger steak – 10oz 21.50
 
    まぁ・・いいや、
    ここにもニューヨークストリップステーキがある(^_^)
 
    9オンスが選べるから(と言っても250グラムオーバーだ)それにしよう。
 
 
    「焼く温度はどうしますか?」
 
    「え?温度??」
 
    「・・・と、焼き方なんですが?」
 
    「あぁ・・・レアで」
 
 
    ステーキの焼き方を、レアとかミディアムとかで表現する事は当たり前に知っていたが、
    Cooking Temperatures・・と聞かれた事は初めてだった。
 
 
    RARE
     → Very Red,Cool Center
 
    MEDIUM RARE
     → Red,Warm Center
 
    MEDIUM
     → Pink Center
 
    MEDIUM WELL
     → Slightly Pink Center
 
    WELL
     → Broiled Throughout,No Pink
 
 
    調べたら、こんな言い方をするらしいが、
    とりあえずレア・・という言い方でも通じたようで、こんなステーキが登場した。
 

 
    表面は色がつく位に焼けていて、
    切ってみると、確かに中は赤い。
 
    固そうに見えてナイフの通りが良いので、
    とりあえず一口食べてみた。
 
 
    え・・・?
    今まで食べてきたステーキって何だったの?
 
    ステーキは想像以上に柔らかく、肉の旨味がしっかりとあって、
    しかもその味わいの中には、何というか、もう一つ別の美味しさの元・・・が紛れ込んでいるのだ。
 
    プライムという品質表示は伊達じゃないんだな、と思いつつも、
    今まで美味しいと思っていたステーキの概念が、ここで変わった事は事実。
 
    脂の味対肉の味と言えば解りやすいだろうか。
 
    日本の美味い肉も素晴らしいのだが、アメリカの上級な肉の柔らかさと美味さのバランスは素晴らしく、
    そのどちらもが肉の旨味を口中に広げて溶けていく楽しさを持っているが、質が違う。
 
    合わせるワインはカリフォルニアのピノ・ノワール。
    2005年の物を勧められて飲んだら、これがまた美味い。
 
    そうだ・・・
    どうせなら、ナパかソノマのワイナリーに行ってみよう。
 
    もし可能なら、あのオーパスワンへ行ってみたい・・・・が、
    予約しておかないと入れないワイナリーなので・・・ねぇ(^_^;)
 

シアーズファインフード

朝何を食べるか・・と考えた時、
外してはいけない店があった。
 
それがこの「シアーズファインフード」
 

Sears Fine Food
439 Powell Street San Francisco, CA 94102
(415)986-0700
 
一時期閉めていた事もあったと聞くが、朝行ってみると行列ができていた。
 
なんだ・・・普通にやってるじゃん(^_^)
 
と嬉しくなりつつじっくり待とうと思ったら、並んでいたのは家族連れの8人パーティーだったようで、
すぐ店内に案内された。
 
(食事は家族揃って・・というのがSFのスタイルらしく、席を待っている人達の行列は
 かなりの確立で大人数のパーティーが占め、そのおかげで私は殆ど待たなかった)
 

 
パンケーキを朝食べる・・・という習慣は殆ど無いが、
サンフランシスコに行ったらここでパンケージを食え!とはよく言われるので、
そんなもんかね?・・と行ってみた10年前。
 
出てきたパンケーキの大きさと数に爆笑したのが懐かしい思い出だが、
今回もそれを確認するようにオーダーする。
 
 

 
 
 
この量です(^_^;)
 
そして何故か・・・・・スイカ
 
どうも薄っぺらく焼いた物を重ねて出すのが
パンケーキの基本らしい。
 
で、その薄さがまた、食感を良くしているように感じるが・・・・
 
量多いです(・_・、)
 
美味しいから・・とメープルシロップぶっかけて、
バター乗っけて食べたら、やっぱりもたれます。
 
美味いけど・・・no more・・・(/–)/
 
この半分でいいんだけどねぇ・・・・
 
 

(サンフランシスコで駐車する時は、車が動いても縁石に向かって止まるように
 下りはハンドルを右に切り、上りは左に、そして急坂は車体を道路に対して
 直角に止めなくてはいけない・・・とか)

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