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2009-02

ジャンフィユー・トレ・ヴィユー

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1人、深夜のバーで飲んでいた。
 
終電を気にする人達が消え、
宿泊の人達は部屋へ消え、
飲まずにはいられない人間だけが取り残されている。
 
 
「こんな時間に珍しいですね」
 
「部下達に付き合ってたからね。」
 
「クールダウンですか?」
 
「うん
 気兼ねなしに飲む時間も大切だしね」
 
 
顔見知りのマネージャーが声をかけてきた。
 
 
「あ・・・
 このストラップ、EOS1の物ですよね?」
 
「良くご存知で」
 
「渋い配色なんで好きなんですよ」
 
「G10に使いますか?」
 
 
彼は写真が好きで、たまに相談を受ける事がある。
コンデジのG10を買ったと聞いていたので、水を向けてみた。
 
 
「やっぱり綺麗ですよ。」
 
「モニターが?」
 
 
ひょっとしたら、
寂しそうな顔をしていたのかも知れない。
 
ほんの少しだけ笑顔になれる時間を、
彼は私に与えようとしてくれたようだ。
 
 

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ジャンフィユー・トレ・ヴィユーが、
グランドシャンパーニュらしい豊かな芳香を膨らませ、
何も考えないくつろぎの時間を導いてくれる。
 
心地よい酔いだけが癒しになる・・・と随分前からわかっていたけど
孤独を楽しめないほど落ちている時は、その効果も薄いらしい。
 
 
うん
よく頑張ってるよ、お前
 
楽しい事も悲しい事も
嬉しい事も辛い事も
全部生きている証でしかないのさ
 
だから
よく頑張ってるよ、お前
 
 
ゆっくりと自分に言い聞かせる
 
 
うん・・・
 
この空気
この時間
やっぱり大切だな
 
それを確認する必要があるほど
自分が見えなくなってたんだな・・・
 
 
「あのさ
 必要だったら前に出るよ?」
 
 
突然、頭の中で「孤独を担当する人」が喋りだした。
と同時に、「怒れる子供」が背中を向けたのが見える。
 
 
 
やっぱり
疲れている・・・らしいね。

Touch-up

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写真展が終わって、
ちょっと抜け殻・・な感じがあって
何も撮る気分になれない、盛り上がれない毎日を過ごしていた。

しかし、諸々の都合で、
また撮影の仕事が入る。

ちゃんと、あの空気を感じる感覚を取り戻せるか?
と自問しながらも、自分の中では完成したスタイルがあるから、
そう多くは心配する事もなく撮影にあたり・・・

そして、明確に感じる事があった。

自分は
その場の空気を切り取る事が
自分を表現する方法として
大好きで
必要で
大切で
唯一、自分らしく生きている実感を持てる時間として
何にも代え難い、と思っている・・・と

そんな解りきった事さえ見失うほど、
日々の自分には向かない作業は重く、
その上、誰かの尻ぬぐいによって付加された作業は、
自尊心をも傷つけていくから質が悪い。

でも
そんな物は、笑い飛ばす。

たった1度の人生だ。
これからは、オマケの人生だ。

仕事なんて所詮は「飯の種」
手にするサラリー分のロイヤリティを持って
自分としてできるパフォーマンスを発揮するだけの事

自分の価値観なんて
自分にしかわからない物だから
誰かに押しつける意味も無い

深夜、愛車を駆って、街を飛ばした。

グリップを失い欠けるギリギリのトルクをタイヤに与えながら、
そのステップとスピードで錆が浮きそうな感覚にタッチアップをかける。

そう・・・

こうやっていつも
自分は生き延びてきたのさ。

深夜の横浜は
クールだった。

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壁萌え?

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光と影が面白くて
こんな写真も撮ってみる

仕事の合間に撮った一枚に
切り取った空気は写っているだろうか

ふと

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ふと思う

大好きな人と一緒にいる幸せって
何にも代え難い物だって事

お互い何も構えないで
リラックスできる時間

そんな一時があれば
日々、何かに傷ついたり
いわれなき攻撃にさらされても
反撃に出たい心を諫める事ができる

何も望まない
何も期待しない

でも
心は変わらない
ずっとずっと変わらない

ろくな人生じゃないけど
そんな出会いがあったから
捨てたものじゃない・・と思える

さて
明日も頑張ろう

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