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2007-07

COLOR


 
San Franciscoで見たかった物
その一つは独特の色
 
その国にはそこでしか存在しない色や配色があり、
個性の象徴としてそれが意識の底に刷り込まれる物らしい
 
だからこそ
この街ならではの色を切り取りたい・・・
と思っていた
 
 


 
市街地にも住宅地にも
道端の落書きにさえ
この街らしいCOLORがある
 
そしてその色合いは
何故か優しい感触を持っている
 
 



 
私の写真は、
モノクロの方が良い・・・と
言われる事がある。
 
色弱だ・・と言われて育った私にとってそれは、
自分の見えている色が、もしかして他人とは違うのかも・・・
と考えさせられるキッカケになる一言。
 
それを、構図の気持ち良さを分かち合えた言葉として受け取っていても、
どこかに、色がおかしい?・・・と尋ねたくなる気持ちが芽生える事は避けようがない。
 
自分自身では、確かにある特定の環境下において
くすんだ黒めの緑と焦げ茶が判断つかない事には気付いているが、
それもちゃんと光が当たっていれば解る程度の事なので、
あのパズルの様な色弱検査用の点描画だけが嫌いだったりする。
 
 


 
でもまぁ・・・
そのおかげで、色に拘る部分は頑固にあったりするわけで、
何事も捉え方が大切なのだ・・・と思える事は、嬉しい。
 
 


 
どこへ行っても、地ビール「アンカースチーム」を楽しむ毎日だったが、
その為のこんな店も、どこかに派手な色を配して個性を演出していた。
 
大胆かつ解りやすく、そして派手で楽しい・・・
 
それが、言葉さえ通じない他民族が集う国家の常なのか、
自分はココにいる!と叫ぶ必要性を生むとともに、
こんな形を作り上げるのだろう。
 
奥ゆかしい派手さと、地味で渋い派手さ。
そう思える配色は、日本にはまだ少ない。
 
それは、言葉を交わさずに意思疎通を行ってきた文化が日本にあった名残であり、
長く存続してきた国が持つスタイルの現れと行ってもいい。
 
しかし・・・
残念な事に、その文化は戦後の教育改革により
かなり失われてしまった。
 
そして今、行き場を失った想いは、
それを受け止める記号さえ希薄な日本において、違う形で踊る・・・という悪循環。
 
国を背負おうと志す人達には、
現実的な問題を対処するだけでなく、
文化を守り育てる意味を理解しながら、
これからの生き方を提案して欲しい・・・と思う。
 
 

10年


 
10年前にこの街を訪れた時、
自分の仕事について悩んでいた。
 
自分のやりたい事ができない毎日に苛つき、
自分の人生につきまとう不運を恨んだりもした。
 
だが、カラッとした西海岸の風や、
そこで生きる人達の笑顔が、
凝り固まった自分の気持ちを解してくれたのだろう。
 
仕事がある事自体が幸せな事。
前の仕事だったら、こんな旅行もできなかった・・と
開き直る事ができた。
 


 
そして10年。
 
気付けば望んだ職場に異動し、
がむしゃらに突っ走った4年間を過ごし、
新しい番組を立ち上げてこの数日間を過せる余裕を持てた。
 
 
その10年間に色々あった事。
それがこの街の風景の中で、蘇ってくる。
 
その感触をまずは味わっていた。
 



 
何故、あの時、あんな事になってしまったのだろう・・・
何故自分は、あんな事をしてしまったのだろう・・・
 
その時、それはわからなくても、
やがてそれは、必然だったのだ・・・と
気付けるもの。
 
そして、そんな事に気付くために、
長き時間を費やし、
様々な想いを持って生き長らえてしまった・・・とも。
 
 


 
10年ぶりのSan Franciscoは、
以前よりもフレンドリーで差別感も少なく、
しかし確実に格差も存在する街になっていた。
 
そんな街で
私は、初めて、大人扱いを受ける。
 
どうやらやっと、
年相応に見えるようになった・・・らしい。
 
 

Surf90 KAMAKURA LIFESAVING CLUB


 
梅雨の最中に行われた、海開き。
 
ほんの一時、一握りの日差しが降り注いだ海は輝き、
海を愛する人達への微笑みにも見える。
 
 
若い頃、
この浜の前をバイクで走るのが好きだった。
 
海を見に行こう・・と誰かが言えば、それでいい。
 
1人なら・・・
自分に向かってそう呟くだけだ。
 
 
そんな事を思い出す浜の名は「七里ヶ浜」
 
そして今日、
気の良い男達に出会った。
 

 
ボランティアで
ライフセービング活動をする彼ら。
 
大好きな海を皆で楽しむために、
押さえつけるのではなく、協力を求める形で活動を進めてきた彼らは、
15年という時間を費やしてやっと、多くのユーザーに認めてもらえた・・・とあくまで謙虚だ。
 
 
何だか、清々しい気持ちなる。
 
そして、
忘れていた何かを思い出すような感触が
この浜には・・・あった。
 

 

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