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Godzilla’s Eye

横浜トリエンナーレは、本日をもって終了となる。
 
マチノトリエンナーレという応援プログラムに関わった事もあり、
最終日に会場を回った。
 
横浜美術館、赤レンガ倉庫、そして開港記念会館。
 
星座を意識した配置という事を聞いていたが、
個性溢れる作品には、根底に流れる方向性があったとしても
そこは現代美術らしく、統一性はあまり感じられなかった。
 
 

 
 
   
作品を批評する蛮勇は無い自分としては、
美術作品を見る時の常として、ただ、感じる事に徹する。
 
そしてやっぱり・・だけど、
心のどこかに引っかかる作品はあまり多く無かった。
 
作者と自分の感性が合うかどうか・・という事なんだろうけど、
正直、合わない物が多い。
 
ただ、今回の作品には多くの映像を使った作品が多く、
写真作家が作り上げるような物から、
映像監督が撮った?と思うような物まで、
馴染みやすい作品があって、面白いと感じた。
 
 

 
 
映画セットのような作品ではあるが、
これは開港記念会館の地下に展開された世界。
 
今の社会が持つ不安、世界が抱える問題、
そして日本の今を作者(柳幸典)が感じるままに表現したのだが、
政治的な要素もある事から、単独での展示になっている。
 
でも、その結果、
統一された世界観があって、
作品としてはわかりやすい空間が演出されていた。 
 
 

 
 
水爆によって生まれたとされるゴジラの目には、
キノコ雲が重なって表現されているが、
現在の映画に登場するゴジラは虚構の象徴にされている。
(現実=自衛隊VS虚構=ゴジラ)
 
今の社会が抱えている問題は
決して虚構では無いということを作品は示唆しているが、
やり過ぎな作風には好き嫌いが出るだろうと、勝手に想像した。
 
でも、アートはそれで良い、と思っている。
 
少なくとも私には、あの場所で繰り広げられた世界観が、
ちょっとカビ臭かったり、低音で流される環境音の重さが、
作者が表現したい空気をちゃんと作り上げている、と感じられたのだから。
 

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