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2006-10-06

Lonely Wolf

  • 2006-10-06 (金)


 

見知らぬ町を電車で走っていた。
 
乗客は皆疲れた顔をして、物も言わない。
 
車輪がレールを削る音が耳障りで
どっかの車軸がずれてるように車両が揺れる。
 
車内の空気は澱み、鼻を突く臭いが満ちていて、
背中には気持ち悪い汗が滴って落ちた。
 
何処へ向かっているのかわからないから、
余計に苛つくのだろう・・・
 
どこかの駅に着いた時、
無意識に飛び出した。
 
 
誰も居ないホームに1人。
 
辺りに色はなく、
赤い列車の尾灯だけが目に刺さる。
 
あんなに嫌だと思った車内の明かりだけが、
妙に暖かく楽しげに見えるのは何故だろう。
 
ま・・・
そんなもんだよ・・・と独り言。
 
自分が望む生き方に、
後悔は必要ない。
 
例え今、一人きりで立ちつくしていたとしても、
どこにも帰る場所が無かったとしても、
自分が一番自分らしい歩き方をしているのなら、
寂しさもまた、自分らしい生き方の代償だろう。
 
 
去りゆく列車を見ながら、
それでも不安に押しつぶされそうな自分を見つめていた。

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