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オーパスワン

  • 2007-07-23 (月) 13:27
  • 煩悩


 
ロバートモンダビとムートンが手を組んで立ち上げたシャトー「オーパスワン」
 
作品番号1番という音楽用語を使ったのは、ワインを交響曲に準えての事。
 
そのスタートは1979年
ワイナリーが完成したのは1991年だが、
現在日本でも1980年ビンテージのオーパスワンが50000円オーバーの価格で流通している。
 

 
ロバートモンダビは、カリフォルニアワインの代表的なワイナリーで、
そのワインは下手なフランスワインより美味しい事は周知の事実だが、
カリフォルニアワインは過去、日本においては不当に過小評価されていたからか、
現在でもコストパフォーマンスの良いカリフォルニアワインはあまり流通しているとは言えない。
 
それは日本独特の権威主義の現れで、
ブランド商品がもてはやされるが如く、フランスワインが一流と信じられていたからだろう。
 
1980年代、190円しかしないフランスワインが日本で3000円で売られていた事実を知っていた私は、
良質なイタリアワインやドイツワインをよく飲んでいたが、その頃既にカリフォルニアワインは輸送経路が
赤道を通らないから痛みが少ない・・という宣伝文句で売られていて、コストパフォーマンスに優れた
良質なワインだと気付いていた。
 
ただ・・・
ナパやソノマと聞いても、それがカリフォルニアの地域名だと知っている人なんて、
殆ど居なかった時代だ。
 
いや、現在だって、そんな地域名を知っていても、
ワイナリーやボトラーズの名前を知っている人は多くないのではないだろうか?
 

 
セバスチャーニ・ビンヤードはソノマの大きなワインメーカーで、スタートは1904年。
2000年には当時のオーナー、ドンセバスチャーニは新たに息子達と会社を起こし、
その設立4年目にハーランエステートやベンジンガーと並んでアメリカン・ワイナリー・オブ・ザ・イヤーを受賞する。
 
まさにこのセバスチャーニのワインは、コストパフォーマンスに優れた嬉しいワインで、
どこかの酒屋でセバスチャーニ・ビンヤードか、ドン・セバスチャーニ&サンのワインを見かけた事がある人は多いと思う。
 

 
サンフランシスコに行ったら、絶対行きたかったのが「オーパスワン」であり、
ナパ&ソノマのワイナリーだった。
 
マイペースで動く事が好きな自分にしては珍しくワイナリーツアーをオーダーした。
 
日本語が喋れるガイドの車で訪れた最初のワイナリーはソノマのセバスチャーニだったが、
さすがは大企業、ここのならではの物があまり目に止まらずにいたら、ガイドが気を遣ったのか、
カリフォルニア最古のワイナリーと言われる「ブエナビスタ」に案内してくれた。
 


 
ブエナビスタの創業は1850年代と言われ、その経営は山あり谷ありで必ずしも順調ではなかったと説明を受けたが、
そのワイン(2005 ピノ・ノアール)をテイスティングして驚いた。
 
どっしりとボディがあって、果実味も楽しく、素直に美味しい・・と言える味わいなのだ。
 

 
ここでしか買えない「ゴールドメダル」というワインは滅茶苦茶美味くて、
真剣に欲しかったのだが、手荷物として飛行機に持ち込めないので、断念する。
(液体はミネラルウォーターでも持ち込めない)
 
そしていよいよ・・・・
予約を受けてもらえた「オーパスワン」に向かう。
 

 
採れた葡萄を重力だけに頼って搾る方式を採っているため、
この不思議な形のワイナリーは地下のタンクまで流れていくシステムが組み込まれている。
 
 
「で、今オーパスワンは幾らで売ってるの?」
 
「$165
 日本では幾らで売ってるの?」
 
「ビンテージによっては58000円なんて物もあるけど、なかなか高くなったねぇ」
 
「79年物と80年物を買った時は$50だった。」
 
「え?
 それって、日本じゃ5万オーバーだよ・・・」
 
 
実は、このツアーに参加した人達は何故か殆どワインを飲まなくて、
1人飲んべえの私は、テイスティング費用一杯$25を出しても飲みたい・・・と言うワガママを心おきなく言う事ができたのだ。
 

 
 
「こんだけのワインでも、$25で飲めるのなら、充分価値があるよ」
 
「このワインは幸せになれるワイン。
 一杯飲むだけで話もできるし、貴重な経験もできる。
 皆さんいかがですか?」
 
「・・・・・」
 
 
ワイナリーツアーをタダの観光ツアーと思っている人達は無視して、
カリフォルニアワインをこよなく愛するガイド氏と話に花を咲かせる。
 
ナパの風は心地よく、しかし畑から香る肥料の匂いがちょっと臭くて・・・
 
20分ほど時間をかけて飲んだオーパスワンは、
香り高いバランスの良い味わいをどんどん広げてくれたが・・・・
いかんせん若かった。
 
カベルネソービニヨンらしい味わいに、
カリフォルニアワイン独特のフローラルな香りと、少し埃っぽい香りに、なめし革のような香りが混じる・・・
 
でも、そこから先の変化に乏しかった。
 
この、美味しいけど、そこから先がちょっと不満・・・な感覚は、
以前飲んだコッポラの「ルビコン」に似ている。
 
 
「最近は、フランスの技術とカリフォルニアの技術が融合したワイナリーが多いんですよ」
 
「そうなんですか」
 
「ドメイン・シャンドンもフランスの資本が入っているし、葡萄棚の作り方とか手入れの仕方は、
 フランスの技術ですね」
 
 
ワイン好きにとって興味ある会話も、他の参加者にはあまり楽しくないようだ。
でもこれはワイナリーツアー。
今回の渡米目的の1つは譲れません(^_^;)
 
 

Opus One
(707)948ー2425

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