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プレッシャー


 
「さっきのコメントで間違いがありました」
 
「え? どこ??」
 
「38社と言うべきところを37社と・・・」
 
「その後ですぐ訂正しましたよね?」
 
「もう一回いいですか・・・?」
 
 
ハイハイ、わかりました。
撮り直します。
 
行政の広報番組は間違いが許されない。
そのため、細かいチェックは必要で、通常問題無い・・と思える事でも、
広報担当者にとって問題だとなれば、収録はやり直しになる。
 
で、こんなやりとりはいつもの事なのだが、
この日はいつもと違う事が1つあった。
 
通常使っているスタジオが使えず、
パブリックスペースの中にある特設スタジオを使っている事だ。
 

 
しかもこの日は副調整室(サブ)が使えないため、
固定カメラを含めて5台のカメラを使い、全てのカメラの映像をテープで収録する事になっていた。
(後日あたかもスタジオ収録したように見せるための編集が必要となる)
 
そしてさらに、そのスタジオが使用できる時間はギリギリに設定されていたから、
細かいチェックや撮り直しをしていると時間切れになってしまう・・・・
 

 
 
「・・・あと10分か・・・」
 
「最後のブロックは正味4分無いから、
 どうにかなりますよね?」
 
「間違いが起きなければねぇ・・・
 ま、後編だから、どうにかしちゃうけど」 (後編=後で編集する事)
 
 
フロアディレクターから収録準備完了の合図が来る。
問題は、悩んでるクライアントだけだが、こういう場合はどんどん回してしまうのが私流だ。
(最後のブロックが撮れないまま時間切れしたら洒落にならない・・・(^_^;))
 
 
「回しちゃうよ」
 
「わかりました」
 
「くぅ・・・・ワクワクするなぁ・・・」
 
「え?」
 
「あはは、こういうギリギリの状態って、好きなんだよねぇ」
 
 
仲の良いカメラマンが半分呆れ顔で、コッチを見る。
 
締切直前や、タイムアップ寸前で火事場の馬鹿力を引き出す事が、
私としては凄く気持ちの良い事でもあり、正直ワクワクしてくるのだ。
 
プレッシャーがかかると上手く動けない人がいるが、
私の場合、プレッシャーがかかってやっとキビキビ動ける・・・らしい。
 
そういう意味ではエンジンはレッドゾーンギリギリをキープするような回し方が好きだし、
狭い所をすり抜けたり、ヤバイ・・と感じる直前まで自分を追い込む事が楽しいのだ。
 
ただ・・・・
ハイリスクな分、しくじると取り返しがつかないから、
なるべく無理の無い大人らしい行動に終始しようと考えてはいるし、
実際、そういうように振る舞っているのワケで・・・(^_^;)
 
 
そして仕事は無事、5分の余裕を持って終了した。
 

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