- 2006-11-05 (日) 22:17
- 自己主張
現在看護師の数が不足している・・と聞く。
それはこの4月から、患者7人に対して1人の看護職を配置すれば、
診療報酬が多くもらえる・・・という改定があったから・・・らしい。
患者にすれば看護師が増えてくれる事は望ましい事だし、
看護師にしても現場の不足感は薄まる。
しかし・・・
全ての病院がその体制に持っていこうとしても
看護師の数が足りていない。
そこで、豪快な引き抜きや青田買いが始まっているらしい。
取材は、そんな現実を見つめながら、
有資格でありながら現在看護職として働いていない人の復職を促すように
告知する観点で進めた。
そしてそこで、1つの発見をした。
白衣の天使達は、本当に天使だ・・・という事実を。
看護師と患者との心の繋がり重さや、
ケアする・・・という行為の持つ大きな優しさは、
看護という仕事の基本であり、それができる人達がその職で頑張っている。
それは当たり前の事なのかも知れないが、
もっともっとドライにビジネスライクに働いているのだろう・・と想像していた私は、
看護師やその卵達と出会って、実感としてそれを知った。
バイクで事故を起こし、路上に投げ出された後、
救急隊員に担ぎ込まれたERで、優しい言葉をかけてくれたのは、やっぱり看護師だった。
私だけではない急患を診ている間、
骨折の痛みと襲ってくるショック症状に朦朧としながら、
不安に消沈していた私に近づき過ぎない優しさを持って声をかけてくれた事を、
取材していてふっと思い出す。
「最近は大学病院が、新卒100人回してくれ・・と言ってくるようになったが、
心ある看護学校の校長は昔通りの人数か出さない・・と聞いています。」
「就職が決まる事はありがたい事ではないのですか?」
「7:1を実現するための人数合わせで入れられても、
新人を大切にその病院にあった看護師として教育できなければ、
やがては無理が出て早期に離職する事に繋がります。」
「看護学校としてみれば、就職率が高い方がよろしいのでは?」
「7:1を実現できない小さな病院でも人手不足なのです。
そういった病院でも新人を必要なのです。」
「資本に物を言わせて争奪戦をする事は、
結果的に医療の現場を弱肉強食の世界にしてしまう・・と?」
「既にそうなりつつありますが・・」
取材させて頂いた病院は、
スタッフの顔が基本的に明るく、
院内はやさしい空気に溢れていた。
副院長は医療の現場全体を考えても、有資格者の復帰が大切だ・・と説いたし、
その病院では、パートタイムでも有資格者が働ける体制さえ取っていた。
「簡単に7:1と言いますけど、フルタイムで看護士が7人の患者様を看るとなると、
実際は1.4人対して看護師1名を配置する事になるんです。
24時間休み無し・・・の現場ですから。」
「・・・・そうなるんですか」
「だから、各病院は必死になるんです。」
「毎年看護師の資格を取得して就職する人達だけでは、足りないのですか?」
「全然足りません。
若年人口は減少しているんです。
それに対し、これから患者様となりそうな高齢者はどんどん増えてくるのですから・・」
そりゃ、そうだ・・・・
2007年問題と騒がれるように、高齢者の人口比は恐ろしく大きい。
そんな人達を、医療の現場で看護しよう・・・という意志を持つ若者達は、
どんな人達なんだろう・・・
自分の身体の事を知っていたい・・・。
それが資格もあって将来の家族の為にも役立つし・・・。
テレビドラマ「ナースマン」を見て、自分もなりたい・・と思った。
やっぱり資格を持っていないと、特に女は不利だから・・・。
取材に応じてくれた若者達は、
今時の若者らしい理由を語ってくれたが、
その目は純粋で真剣で、希望に溢れていた。
その笑顔を見ているだけで、
なんだか「まだまだ捨てたもんじゃない」という気持ちになってくる。
何度か死に損なった自分としてみると、
近づきすぎない看護師の優しさの基を見たように思う。
人間の死亡率は100%だ。
最後は多くの人が、医師や看護師の世話になり、
その命の火を消していく。
なるべくならお世話にならずに、
ある日目が覚めずにそのまま亡くなっていた・・・
という死に方が良いと思っている。
ただ、こんな優しさに溢れる人達が看取ってくれるのなら、
それはそれで、幸せな事なのだろう。
コメント:6
- シゲ 06-11-06 (月) 10:36
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いい顔が撮れてるね。
- 央 06-11-07 (火) 19:15
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私も看護職につくことを目指して学んでいる者です。
素敵な笑顔と熱意の伝わってくる写真。
つい何度もスクロールして眺め入ってしまいました。
人の心を 心で癒すことに
限界があるような気がしてならなかった私ですが
その必要性の大きさを改めて実感し
私にできる限りのことをしていこう と
あらためて決意を固めることができました。
多くの人の笑顔が見られるよう
がんばります♪ - たけ 06-11-07 (火) 19:48
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番組、興味深く拝見しました。
身近なところで、家庭を持つある看護師さんは、
「夜勤のある病院への復職は無理」と言います。
人手不足がいろんな歪みを現場に招くことも たまにありますけど、
看護学生のインタビュー聞いていると、元気になりそうでした。
きっと医療スタッフは皆んな そうなんだろうと思います。
実は学生が実習に来ることで、現場はものすごく元気になることがあります。
学生は、知識や技術はなくても、「自分はこんな仕事をしたい」
というエネルギーをもってますし、他者への興味など、そういう
好奇心いっぱいだったりします。それによて元気づけられます。
つまり逆に言えば、そういう原点のようなものが、現職者に
欠けはじめているともいえます。だから学生というのは、
「そもそも自分はどうしてこの仕事を・・」と立ち返ってみる
いい機会になってたりするんですね。それもひとつの
人手不足の解決の糸口なのかもしれません。
ただ日々の自分には、学生の「夢や希望」は正直、持ち越せません。
そこは理詰めるよりも、実践から”意図的に”見出だしたりしてます。
看護師不足をめぐる悪評もあるにはあったりしますが、
ピュアな学生さんのお話が、自分にとってはよかったなあと
思えたんですね。
卵(学生)を暖める役割かもしれないけども、
なんだか「卵」に暖められた感じでした(笑)。
あ、忘れ物のタッパー、申し訳ありませんでした。 では - 某若 06-11-07 (火) 21:00
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コメントありがとうございます>央
傷ついた心を癒すのは、やはり心だと思います。
どこか世の中を斜に見ている私が見ても、
そんな心を持つ人達の笑顔は素晴らしかった。
そんな空気が写真から伝わったのなら、幸せです(^_^) - 某若 06-11-07 (火) 21:10
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番組見てくれたんですね(^_^)
人は日々生きているから、
何時までも同じ夢を持ち続けるのは、強い想いと覚悟が必要です。
でも夢を育む事は、
きっと生きていく力になる。
そして、優しさの持つ力は強くて暖かい・・・
そんな事を感じながらの取材でした。
あの現場の暖かさを、
見てくれた人が感じてくれれば良い。
潜在看護師の人が、
自分が何故資格を取ったのかを思い出してくれたらいい。
そして、パートタイム、という形での再就職だってありなんだ・・・と
伝えたかった番組ですが、どうやらそれは若干ですが成功したようです。
頑張って作った甲斐がありましたm(__)m - こ〜 06-11-18 (土) 16:22
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いい顔ですね。
もうちょい看護師の待遇を上げねばいかんですよ。あの過酷かつ責任のある仕事が、評価されていないと日々感じます。