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2007-01

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早朝の取材、
背中がふわっと暖かくなって振り向いたら、
太陽が笑ってた。

老上海茶館

水の不味い上海で美味しく水を飲むには・・・
茶しかない(^_^;)

と単純に考えていいのかどうかわからないが、
茶芸館を探してウロウロとすると土産物屋の2階にちょっと小綺麗な店があった。

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年配の奏者が操る胡弓の調べを楽しみながら、
味の濃そうな安渓鉄観音をオーダーする。

この店ではお茶もなかなかの値段で日本の茶芸館並となっていたが、
その分期待も大きくなる・・というもの。

産地が近くて、特に外国人相手の店でなくてこの値段(1000円相当)なら、
かなり美味しい事は想像に難くないのだ。

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店員が一杯目をちゃんと淹れてくれる。

作法としては台湾のやり方に似ていて聞香杯で香りを楽しむ事もできたが、
あの不味い水のはずなのに、豊かな香りと味わいが生まれるのが不思議だ。

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これで水が美味かったらなぁ・・・(^_^;)

と思いつつ、お湯の追加を頼むと、
何故か味が違う。

あれ・・・?
なんかさっきより美味い??

どうやらこの、いつの物だかわからない
古いポットのお湯が違うらしい・・・

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できる事なら、日本から持ってきた飲料用のミネラルウォーターで飲みてぇぇぇ・・・と心の中で叫びつつも、
多分何度か暖めて時間がたったこのポットのお湯が、想像以上に鉄観音の味を引き出していたから、
いつの間にかすっかりとリラックスできてしまった。

で・・・
落ち着いてくると・・腹が減る(爆)

フードメニューを見るとちゃんと点心があるので、
ここでも懲りずに小龍包をオーダーしてみた。

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・・・・・

美味い・・・じゃないすか(^_^;)

高級店より遙かに安いのに、
こっちの方が数倍美味い・・・・じゃないですか(/–)/

なんかこの街、安い一般市民が食べる食べ物の方が、
美味しいのでは?・・・と勘ぐりたくなるほ、この小龍包は美味かった。

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窓の外には、古き良き時代の建物と建築中の高層ビルが見える。

昭和の時代、街がどんどん姿を変えていく様を見ながら育った私にはどこか懐かしい空気を感じられるが、
それでも、古い町が飲み込まれないように・・・と祈らずにはいられない。

何故なら私が生きている横浜は、都市開発という破壊によって、多くの「らしさ」を失ってしまい、
今ではどこの街だかわからないような顔を幾つも持っているからだ。

そして、歴史と経験によって育まれた文化は買う事ができない事を痛感しているからこそ、
文化を伝えるあらゆる物は、そこに生きる人間達の誇りの一部として大切にすべきと、考える。

でも・・・
そう言えるのも・・・
豊かな暮らしができている「今」があるから・・なのだが。

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OLD JAZZ BAR

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上海のバンド地区には1920年代にできたホテルがある。

「和平飯店」というなんともありがたいの名前がついているホテルだが、
英語名はなんと「PeaceHotel」(まんまじゃん・・(^_^;))

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五つ星ホテルだ・・という事の証明らしく、こんなプレートも掲げられていたが、
欧米人に受ける古めかしいホテルで、日本人客が殆ど居ない。
(パッケージツアーにこのホテルが入っていない事もその理由か?)

今回はエアもホテルも全部手配であったからこんなホテルを押さえる事ができたのだが、
バンド地区や対岸の浦東新区で押さえられるホテルで、というオーダーで出てきたのは、
一流ホテルとはいえ古くて人気薄だったから?・・・なのかもしれないと、正直思った。

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勿論、こういう歴史的なホテルに泊まる事は、望むところ。

新しい至れり尽くせりのホテルも素晴らしいけど、
歴史有るホテルにしかない空気は、まさにそこでしか味わえないからだ。

それともう一つ、このホテルに行ってみたい所がある。
そこには戦前からの上海を伝えるあるものが今も行き続けている、と聞く。

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それはホテルのグランドフロアにある「Old Jazz Bar」 という名のカクテルラウンジ。

戦前からここで演奏し続け、一時演奏する事自体を禁止された時代もありながら、
今もまた演奏してているジャズマン達がいるのだ。

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ずっと使い続けたであろう古い楽器で、
ずっと演奏し続けたであろう古いスタンダードを演奏する彼ら。

時折音が外れたりする愛嬌も見せながら、飄々と演奏していく姿を見ると、
「継続は力なり」という言葉を思い出す。

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さすがにいつものように、モルトとシガーというわけにはいかなかったが、
ダブルでもらったヘネシーは妙に美味く、一年突っ走ってきた気張りがふわっと消えていくのがわかる。

そうそう・・・
こういう風に気を抜きたかったのさ・・・(^_^)

ワルツみたいになっちゃったTake5を聞きながら、
やっとゆっくり一年を振り返る余裕ができた事を喜ぶ。

こんな大晦日も
悪くないもんだ・・・ね。

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緑波廊酒楼

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豫園は上海では有名な明時代の庭園。
「豫」は愉を示し「楽しい園」という意味があるが、観光地としてはあまりにも有名で、
今回はここにある「南翔饅頭店」で小龍包を食べるか「緑波廊酒楼」(国際特級レストラン指定)で
上海料理を楽しみたいと思っていた。

だが、「南翔饅頭店」には膨大な順番待ち客が並び、
時間を無駄にできないスケジュールを持つ私には、待つ・・という考え無い。

例え国際特級であろうとも、多少高くても、
まずは上海料理が食べられる事が大切なのだ(^_^;)

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「No Table! Can you waiting?」

「Yes! How long?」

「fifteen minute Sir」

「OK]


ブロークンな英語で会話し、予約無しでも無事入店を果たすと、
メニューにあるオススメ料理を数点頼んでみた。

b414.jpg 「椎茸と豚肉のパテ、パイ生地包み」

b416.jpg 「芝エビの炒め物」


最初に出てきたのは緑茶。

香港と同じようにポットで出され、
注いでくれるのだが・・・

うわっ・・・不味(・_・、)

そう・・・
上海の水は思いっきり不味い。

例えて言うなら、凄く古いマンションの水道水のような、
独特な匂いがする水なのだ。

で、デリケートかつ薄く出された緑茶には、
思いっきり影響するわけで・・・(▼▼メ)

あわててウェイトレスを捕まえてビールをオーダーすると、
出てきたのがコレだった。

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大きい瓶のビールをくれ・・と言ったら、初めて見る青島ビールのドラフト。
純生というラベルが笑いを誘うが、クソ不味いお茶よりは遙かに美味しい(^_^)。

パイ生地包みの点心と海老で、
楽しい食事が始まった。
(不思議な事に、料理は美味しい(^_^;))

しかしこの料理は凄かった・・・

b415.jpg 「蠏肉と青梗菜の料理。」


カニや川魚料理が得意らしいこの店、
堂々とオススメ料理に載っているので迷わずに頼んだのだが、
さすがは野生の川カニ。

見事に川の香りが豊です。

暖かいうちはそれが良いアクセントに感じられたが、
冷えてくるにつれ、どんどん川の匂いが強くなり、
なんだか食べる事が辛くなってくるワケで・・・

でも、何かに似ている匂いなんだよな・・・・
と思いながら、ビールのつまみに無理矢理食べていて気がついた。

そうだ・・・

これ・・・

ペットショップの匂いだ(^_^;)

水槽が並び、亀とかトカゲとかもいるようなペットショップに存在する、
なんとも言えない動物の匂いがするのだ。

・・・と気付いたら、
もう食えません(・_・、)

残念ながら、完食できずに次の料理を待つ事にした。

b416.jpg 「上海焼そば」


いや・・・
興味はあったんだよね(爆)

上海に上海焼そばがあるかどうか・・・・(^_^;)


で、メニューにしっかり上海炒麺と書いてあったから、
無条件に頼んでしまったワケで・・・・


コイツは、美味かった。

麺が太すぎるのと、何故か短い事を除けば、
かなり上品な焼そばだ・・と言える。

肉が麺と同じ太さで切ってあって麺に混じっているのが紛らわしいが、
横浜中華街の上海料理店で見た上海焼そばも同じように肉を切って入れていたので、
コレが正しい上海焼そばなのかも知れない・・と思った。

しかし・・・
水が不味い・・というのは致命的だ。

下手な店で薄味の汁物を頼んだら、
間違いなく不味い・・という事が想像できる。

そんな事にメゲル私では無いが、
中華街で慣れ親しんだ上海料理の方が美味いんじゃ、
洒落にならないじゃん・・・・としばし呆然。

だが・・・
そんな想像が必ずしも当たらないのが中国の面白いところ。

四つ足は机以外何でも食べる・・という位、食に長けている国の料理は、
様々驚きに満ちあふれていた。

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緑波廊酒楼
TEL:(021)63557509
FAX:(021)63557507
上海市豫園路115号
07:00~10:00
11:00~16:30
17:00~00:30
年中無休

上海租界

1842年からはじまる上海の租界。

阿片戦争を終結させた南京条約よって始まった租界は、
行政自治権や治外法権をもつ外国人居留地だが、
私が宿泊した外灘地区(The Bund)はその租界地区であり、
そこにかかるこの橋は、外国人のみが渡れる橋として存在していた・・というから、
実際は占領と変わらなかったのだろう・・と思う。

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大きなビルのすぐ隣に、昔ながらの長屋が並ぶ。

地元民の為に売られている饅頭は一個10円もしない値段で売られ、
市には野菜や肉、魚などが所狭しと並べられ、大晦日なのに人々は当たり前な顔をして出勤していて、
中国の持つエネルギーを垣間見たような気分になった。

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古くは横浜もそうだった。

外国文化が真っ先に入ってくる土地には、
その時代の建物や文化が自然と備わっていく。

横浜は明治時代から西洋建築を大切にし、
関東大震災や横浜大空襲にも負けなかったものが昭和の時代には
当たり前に現役で使われていたものだ。

しかし時代は、高度成長期にからバブルが弾けるまでの間、恐ろしい勢いで変化し続け、
二度と手に入らない文化遺産の多くが無くなってしまったのは言うまでも無い。

そして横浜は横浜らしさをすっかり失い、人工的な都市景観だけが残された・・と言ったら言い過ぎかも知れないが、
この上海で古き住宅様式と浦東新区の奇抜とも言える高層建築が建ち並ぶ姿を見ると、中国の変化の様が想像できた。

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今、上海は面白い
とよく言われる。

日本の高度成長期よりも大きな変化が、
様々なシーンで起きている。

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一個10円しない饅頭が売られていた街には一杯300円を超える麺が売られ、
缶ビールはそれより高い400円オーバーするのに、コーヒーはさらにその倍の値段になっている。

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そして浦東新区が見渡せるバーラウンジのカバーチャージが5000円という価格を付けているのを見て、
その貨幣価値の理解不能な設定を見ると、貧富の差の激しさが成功したものとそうでない物の差として
明確に浮かび上がってくるのを、感じた。

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だが、新しい物だけを優先すると、
実は大切だ・・・と気付いた時には既に失われていた物の大きさを、知る事になる。

人間は、
破壊を伴う進歩も良しとして同じ過ちを繰り返し、
その場の利だけを見続ける生き物なのだろうか?・・・と思いながら、
「上海新天地」に行ってみた。

1920年代の一般市民の共同住宅である「石庫門」と言われる建築様式を
貴重な文化資産としてレストラン等に改築、保存されていると聞いたからだ。

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笑ってしまった・・・
これじゃ、横浜の赤レンガ倉庫と一緒だ。

保存の為の転用は手段として間違っていないけど、
文化を保存したのではなく、リサイクルしただけの事。

何も残さない事から比べたら充分に素晴らしいと言えるけど、
それぞれの建物が持つ文化の欠片も想像できないのは、
私が外国人であるから・・だけではないように思う。

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人は経験に学ばないと、
進歩できない。

だから目上の人間の話は大切なのだ。
だから学問は必要なのだ。
そして経験だけが自らの力として備わるものなのだ。

この殻だけ纏った古き町並みの中で、今を生きる若者達を見ていて思うのは、
これが「変化しつづける街」なのだ・・という事。

振り返って思い出す時間的距離が長くなってきた今の私にとって、
何を大事にこれから生きていくべきか・・という事が見えたような気がした。

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